1988年のジロリン(11)

・1988年8月3日 西安→烏魯木斉 窓の外は平原。昼には赤茶けた山々を見せてくれていた地球も今は黒暗里*1。どうやら漢民族の範囲は終わりに近づいているのだ。そうだ僕が見たかったのは西部の砂。それがもうちょっとだ。今日の日の入りは9:50。日本と時差がな…

1988年のジロリン(10)

・1988年8月2日 西安→烏魯木斉 初めての中国寝台*1。やっとかえてくれました。一緒の中国人はかえてもらえませんでした*2。外国人だからというえこひいきで、ちょっとうしろめたかった。けれども僕らは彼らの2倍金を払ってるってことで許してほしい*3。2倍…

1988年のジロリン(9)

・1988年8月1日 西安、勝利飯店 よっぱらってます。あんまり冷えてないビール飲みすぎましたかね。今日は大失敗。6:45に起きて観光ツアー(解放飯店発)*1のはずだったのに、目が覚めると7:45。思わず寝てしまいました。 昨天、中国人のちんぽの悪口を書いた…

1988年のジロリン(8)

・1988年7月31日 西安 勝利飯店 西安は上海よりも女の人がかわいいところです。上海では、数えるほど、というかほとんど数えられないほどの人数ーー1人ーーでした(上海雑技の人たちは除く)。ここは全然違います。もう50%以上の率でしょう。札幌よりも高…

1988年のジロリン(7)

・1988年7月30日 上海→西安 在火車 今、僕、汽車の中。周りに中国人たくさん。これがうわさの硬座*1なのだねえ。思ったよりも中国人のみんなは日本人に興味を示さないようにみえたが、だんだん本性を表してきたか、元気に質問をくれる(中国人のみんなとした…

俺過去日記.15 18歳童貞編

・1986年5月8日 俺は登校拒否児にでもなったようだ。ふん、大学生なんだぜ。こんな状態でも、中年、老年になったら、悩み多き青春時代だったなあと回想することができるのだろうか*1。俺は青春を謳歌するんじゃなかったの? だめだ。謳歌なんて書くと涙が出…

俺過去日記.14 18歳童貞編

・1986年5月6日 連休が終わった。俺は一昨日、伊藤さん*1に電話して遊びに行かないかと言った。しかし断られた。昨日親が来ていろいろ見て回ったので疲れているから明日は家で寝ていたいから、と言われた。出ばなをくじかれた感じ。このまま何もせずにすごし…

俺過去日記.13 18歳童貞編

・1986年5月1日 耳の奥がヒクヒクしている。頭の中に、遠心力を利用したトレーニング用品*1が入っている感じ。気を抜くと飛び出てきそう。月曜の昼から熱が出て今日病院に行ってやっと下がった。頭の中が広くなった感じ。頭の中に放射能が広がっていく感じ。…

1988年のジロリン(6)

・1988年7月29日 上海 浦江飯店 なんだか気分はもりあがってきてます。今日は浦江最後の夜です。なんだか上海好きになってきてます。昨夜〜今朝は思考が昂ってよくねむれませんでした。目覚めるとすぐメシはトースト、コーヒー、ゆで玉子でした。その後帰り…

1988年のジロリン(5)

・1988年7月28日 上海 浦江飯店 今日、上海に着いた。ここはパワフルだ。あつい。むしむしする。人がたくさんある*1。歩いて違和感はない。建物は古くさくて素敵だ。さすがにヨーロッパの租界だっただけのことはある建築様式。汚い水に浮かぶ無数の船たち。…

1988年のジロリン(4)

・1988年7月27日 神戸→上海 鑑真号船中 船中2日目。体調はますます不調。これからの旅が不安である。重病になったらおしまいだよなー。昼間はずっと寝ていた。午前中は卓球と日光浴をした。 いつも思うことだが、裸になるのは恥ずかしい。というのも、僕は…

1988年のジロリン(3)

・1988年7月26日 神戸→上海 船中 鑑真号*1に乗船。出発したぜ、上海へ。しかし体調が悪い。カゼひいたのかなあ。鼻水は落ちてくるしのどはいたいしむしさされはかゆいし。かぶせた歯の内側に痛みはあるしメシのときに船酔いしたし。大丈夫かなあ。聞くと他の…

1988年のジロリン(2)

・1988年7月25日 神戸 バロン*1で一緒だったK君と舞鶴で再会。大阪まで彼のビートルで送ってもらってラッキー。さらに夕食までお世話になってモアラッキー。しかしビートルってあんなにスピードでないもんなんですね。Aのチョロ君*2よりも遅い坂道。でもあ…

「1988年のジロリン」(1)

24年前、上海から西安に向かう火車の硬座車両で中国人の姉妹と知り合って、じゃあうちに来なよといわれてほいほいついていったらそれが塔城というものすごく遠い田舎で、未解放都市とかいう外国人が入れない村で、村のお偉いさんと公安に見つかって数日間軟…

おれのデビュー作「人妻鑑定団」…

思うところあって昔の仕事ファイルを見ていたら、フリーになって初めてやった仕事の切り抜きが出てきたよママン。雑誌名は忘れたけど、とにかくエロ本。エロい人妻を呼び出してその肉体とテクニックをライターであるおれが味わい、鑑定するという内容。おそ…

俺過去日記.12 18歳童貞編

・1986年4月27日この何日間はいろいろあった。退部届けを出した。小西さんはいなく、本来の部長の方がいたのでその人にわたした。部長はかっこいい人だった。女にもてそうな人だった。やさしい顔をしていた。俺が届けを渡すとちらっと中をのぞいていたが、、…

俺過去日記.11 18歳童貞編

・1986年4月22日 今日、部室にいって小西さんに退部の旨を伝えた。おあつらえむきに部室には小西さん一人でこれはイケると思った。ぼくが伝えると、小西さんは、試合のこととかにふれたあと、文書に書いてもってこいといった。ぼくはがっかりした。本人がや…

俺過去日記.10 18歳童貞編

1986年4月20日 どうする。このままつづけるか、明日退部するか、試合が終わってから退部するか。最近の風向きからいくと、このままずっと続けていく気はないらしい。やはり金をつくって何とかしなければだめだ。バイクを買わなければならない。そう思ってい…

俺過去日記.9 /18歳童貞編

1986年4月14日 今日はまた一段と悩んだ、悩むという言葉は俺のためにあるようなものだ、こんな男はいやだ、一生こんな男ではがまんできない、大湯が電話をくれた、声が明るい、はずんでいる、あいつはやっぱりハッピーな人生を送るんだろう、俺は不幸な一生…

俺過去日記.8〜18歳童貞編〜

1986年4月13日 ぼくはどうしてこう悩まなければならないのか。結局硬庭に入部したのだがまたいやな状態にある。やはり体育会なのだ。バイトをして適当にというわけにはいかない。しかし、2年の先輩は「週に2回休み、5講時まであるときはでなくてよし、ア…

俺過去日記.7

1986年4月9日 今日から授業が始まった。30日に履修届を出すのにもう授業は始まっている。これはちょっとおかしい。行き当たりばったりの状態でスタートしなければならないのだから。何かいいかげんだ。それに講義がつまらない。興味深くない。学校にいると何…

俺過去日記.6

1986年4月8日 今日、北大の入学式だった。昨日は前夜祭だったが、僕の心を一番ひきつけたのは応援団だった。しびれた。これこそ僕の求めていたものだ、と思った。「先輩、僕も仲間に入れて下さい」と言っている自分を想像すると涙がうかんだ。都ぞ弥生を肩を…

俺過去日記.5

1986年4月6日 えのもとがまた別の男と歩いている夢をみた。 夢という語は昔からあるのか。「おいおまえ寝ているときに何かみなかったか」「おうみたぜ。寝てるってことは目をつぶっているんだが何でみたんだろうな」という会話を経てできたのかしら。 夢をみ…

俺過去日記.4

1986年4月4日 コーヒー牛乳がコップ4/7ほどあった。牛乳は1リットルあった。牛乳を足して飲んだ。一口飲んでみてこれはイケると思った。口の中にいるときは香ってこないが食道を通り胃につく頃になるとほのかな匂いがした。牛乳ははやく飲んでしまわねばな…

俺過去日記.3

1986.03.31 やっと「禁色」を読み終えた。最近小説を読んで感じるのは、小説ってこんなもんでいいのかしらということ。禁色も、524ページも使っているのにケツがすっきりしない。おわり方は重要でないのかしら。断片的にいい感じがだせればそれでいいのかし…

過去俺日記.2

1986年3月30日 「禁色」あと100ページ。男色家というのはどんなもんなのか。この辺にいるのかしら。その人たちの行為を一度見てみたい。パンツを脱がないままなら何となく理解できる。美しい顔をした男性とくちびるを重ね合わせ、ひきしまった筋肉を愛撫。こ…

過去俺日記.1

1986年3月29日 頭をかいて爪に残った匂いをかんだ。「爪」は辞書をひいて書いた。ロバ製菓の「ぽんぽこ」のおしながきはかわいかった。さっき便所で考えたことを思い出そうとした。「思い出そうとした」と書いているときにはもう思い出そうとしてはいない。 …