1988年のジロリン(4)

・1988年7月27日 神戸→上海 鑑真号船中
 船中2日目。体調はますます不調。これからの旅が不安である。重病になったらおしまいだよなー。昼間はずっと寝ていた。午前中は卓球と日光浴をした。
 いつも思うことだが、裸になるのは恥ずかしい。というのも、僕は脇毛が薄すぎるからだ。これは遺伝である。それにやせているし。これも遺伝かなあ。食っても太らないタチなんです。トレーニングしてもだめだしな。方法が悪いのかもしれませんね。
 明日は中国大陸上陸ですね。第一歩は別に特別なものではないよね。ただ歩いている途中の何歩めかがたまたま大陸の上にあったということだ。そこからどのようになるかが特別だ。でも結構見え透いているよな。上陸してみんなと一緒のホテルに泊まって、一緒の目的地に着いて、それなりの経験をして戻ってくるだけだ。問題はその後なのでしょうか。旅の経験を生活に活かせるかどうか。
 これを具体的に考えるとどうでしょう。もっと男らしく大人になるってこと。もっと成長した人になるってこと。人から認められることだ。そうすれば自分も自分を認めるのだから。結局僕は他律的自己でしかありえないのかもしれない。そこをおさえておけばOKではあるまいか。おさえていないのとでは大違いだと思うが。逆効果の場合も、昨日の船酔いのようにあるがね。
 やはりケースバイケース、フレキシブルな人間像が求められる。となると極端な奴はだめということになるが。となると僕はOKじゃん。僕はあいまいの極致だもの(この場合の極端は許される?)。明日の上海に你好。