俺過去日記.9 /18歳童貞編

  • 1986年4月14日

 今日はまた一段と悩んだ、悩むという言葉は俺のためにあるようなものだ、こんな男はいやだ、一生こんな男ではがまんできない、大湯が電話をくれた、声が明るい、はずんでいる、あいつはやっぱりハッピーな人生を送るんだろう、俺は不幸な一生だ、その原因がこの性格だということは知っている、直したいと思う、でも直すチャンスがあっても俺は何もしないでふとんに入って悩んでいるだろう、俺は何をやりたいか、バイトをしたい、免許をとって車を買って走りたい、バイクにのりたい、女の子と一緒に遊びたい、大学生らしい内容を情熱のある先生と討論したい、自分で小説を書いてみたい、空をとびたい、海にもぐりたい、麻雀に明け暮れたい、酒をのんで語り合いたい…とこれらのことを全てエンジョイしてる奴もいるのだ、俺は何をしている、バイトをしたいならやれよ、テニスしたいならそうしればいい、でもさあ、俺のこの状態では全てやりたいことやるなんて無理だし、一つだけえらべっていわれてもえらべるわけない、弱い意志しかもたないんだから、自分がどれかやっていても他の奴らが他のことをやっているのをみると、もうたまらない、自分だけおいていかれている、みんな先にいってしまって楽しそうにしている、俺は勉強してみんなより少し早く大学にきた、楽しいところにやってきた、と思った、それなのにどうだ、大湯の楽しそうなようす、お前はほんと幸せな奴だ、えんどうとえのもとが二人で道東に旅行したって、ふうん、今考えるとショッキングなニュースだね、でも俺の感覚はもうにぶってしまった、えんこちゃんが励ましてくれてるぞ、俺はきっと何かをやるって書いてある、うれしい、涙がわいた、でも俺はこういう言葉を栄養にして成長できないようになってしまった、何ということだ、俺はもっとかんたんで、すっきりした脳みそがほしい、目をつぶったらへんな虫がいたから、俺の頭はむしばまれているのかもしれないよ、俺はだめなんだ、それを認めろ、ヘンな期待をするな、現状に満足しろ、自殺しろ、今よりはましだ、もう考えたくない、時が解決してくれるだろうか、時よりも俺の思考は強い、思考って何だ、悩むことか、誰か俺の頭の中にゲロをはいたな、かきまわさないでくれ、大湯よ、俺はもう性欲もないみたいだよ、立たないんじゃないかな、確かめてみる気もない、今度会うときまでには元気になっているよ、なんていってしまった、まだ俺はうだうだしてるんだ、どうして要領が悪いんだ、腹に、背中に、たまきんに、もやもやした黒がたまる、ゲロになって出ていってもらいたい、うんこでもいい、何とかしてくれ北大、北海道大学、俺に情熱と勇気と決断力をくれ、後ろをかえりみない若さをくれ、年をとって若いころを思い出そう、みんなと肩をくんでさ、目には涙がうかんでいるのさ、俺は他人がいなきゃだめなんだ、他人がいるからだめなのかもしれない、周りがいなければ、おいていかれるという心配はないから、そんなのはどうでもいい、明日から何とかしてほしい、俺にはできない、えんこちゃんのばかやろう