江川達也のヤプー

おれの中での最高傑作ノベルである「家畜人ヤプー」の江川達也版第1巻を主宰から借りて読んだ。なかなかいい。石ノ森章太郎版は絵がぜんぜんピンとこなくて途中で読むのやめたけど、これは最後まで読んでみたいと思わせる。忠実に絵にしてるだけ、っていう感じがするのがいいところ。カニリンガ(舌人形)の造形がおれの想像していたのと近いっていうのが、おれを肯定にむかわせる最大の要因だろう。残念なのは、クララの顔。もうちょっとわかりやすいドイツ人ぽさ&白人っぽさが欲しい。江川氏は外人の顔が苦手なのでは? 瀬部麟一郎の顔を意識的にダサく日本人化するのは、まあ納得。納得ではあるのだが、江川タッチのスマートな男子顔にした方が効果的だったのではないかと信ずる者である。そのほうがより悲劇的な感触が強まったのではないかと。http://www.gentosha-comics.net/birz/yapoo/index.html


このマンガに限らず、陰茎をデカく描く傾向が強すぎると思う。陰茎はもっと些末で矮小なものなのに…。こういう悪しき先入観イメージが蓄積されることでおれのような卑小な男性がどれだけ増えてしまうのかわかっていない、といわざるをえません。それは男性だけでなく女性にとっても悲劇なわけですよお嬢さん!