ウェブ進化論? ブログ進化論!
『ウェブ進化論』とよく似ているけど『OL進化論』とは全然似ていないというタイトル的特徴を持った新刊、『ブログ進化論』(講談社+α新書)を読みました〜。サブタイトルは「なぜ人は日記を晒すのか」。カコイイ〜。もう、このタイトルだけで、手の届かない高みにのぼってしまった感のある著書は、『このブログがすごい!』(宝島社)の編集者・岡部敬史*1。
どうやって発信されているとかよりは、何が発信されているのか。
面白い点はここにあるし、ここをぬきにブログを語っても魅力がないと思う。
だから本書では、ブログで書かれている内容に注視して、話を進めていくこととしている。
とあるように、『このブロ』作りで培った現代日本のブログ実例紹介を通して、副題の疑問に答えてしまおうという試み。自分も『このブロ』に参加していたんで、実例に挙げられているブログはだいたい知っているもので、おれ自身にとっては特に新鮮味はないんだけど、むしろ実例紹介の合間合間に入ってくる著者の主張・見解がおもしろかった〜。
たとえば、ランキングサイトに参加しているブログには面白くないブログが多い、と断じた部分では、
(略)発信者の主張ばかりが目立つブログは読んでいて疲れる。
あくまで私的な意見だが、「ランキングに参加中!」といった掲示を行っているブログは、こういった書き手の主張が強いケースが多いように思える。
と、冷徹な一言。ランキング参加者に冷や水をかける感じでス・テ・キ!
トラックバックについては、
トラックバックというのは、このように従来なら相手の了解なしにはできなかった相手先からのリンクを、こちらから〓相手の許諾なし〓に一気にやってしまうことに他ならない。
とズバッ。従来の説明では、言及通知機能とか、相互リンクがどうのこうのというまどろっこしい説明がほとんどだったと思うが、これはまさに正鵠を射た感じ。
有名人ブログに関しては、
このブログというメディアを使ったタレントの情報発信であるが、昨今のブログブームの影響もありその絶対数自体は増えているのだが、ブログシーン全体に与える影響というのは、確実に下がっていると感じる。
と、これも納得。黎明期にはブースターとして有効に機能していたけど、もうそろそろ黎明期じゃないからいいよね、ということ。
最終的には
そう、人間は他者に対して発信せずには、生きていくことも困難になるのだと思う。そんな根元的な欲求をブログは満たしてくれる。
キめたね〜(=゚ω゚)
ということで、『このブロ』を読んでない人には情報の部分、読んだ人には主張の部分がおもしろいよ、な一冊。あ、たまにたとえ話で龍馬とか松陰とかの歴史上の人物が出てくるのもけっこう唐突で好きですね〜ヽ(´ー`) ノ
*1:その正体は味スタ仲間のokatacoさんです〜