『図解でユカイ』で絶望!

もしもライターや編集者でこの本を知っていないとしたら明らかにそいつはモグリだ!と声を小にして言いたい*1本、なのに絶版となってアマゾンのマーケットプレイスでは4000円というプレミア価格で売られていたという伝説の奇書、『チャート式 試験に出ないニッポンのしくみ』(扶桑社)が、ゴマブックスからががーんと復刊されていた! タイトルが『チャート式 図解でユカイ』に変わり、カバー絵が金子ナンペイ先生に変わり、版型がA5に変わっているものの、中身はもちろんオリジナル版と同じ。同じだからもちろんオリジナル版で受けたような衝撃はないんだけど、7年もたって自分もとしをとった分、この本のスゴさが如実に伝わってくる感じ。7年前、この本を見たときに思ったのは、そうか、こういうことでいいんだ!という希望だった。規模やレベルは違えども、おれも同種の志をもっていたので、先を越されて悔しいというよりは、なんというか、ビッグな市場を開拓してくれた!みたいな感激があったわけ。だけどいま改めて読み返してみて感じるのは、もはや希望ではなく、絶望。死に至る病。おれがどうやっても太刀打ちできるような代物ではないというクールな現実をたたきつけてくる一冊。王貞治クラスの巨根に対抗しようと立ち上がるがやっぱりまったく勝負にならないばかりかその強大なフォースにやられて少しも触れてないうちに果ててしまう微根になった気分。チャートって、けっこう敷居は低いから、ついかんたんそうだと思って作りたくなるんだけど、それはじつに甘い罠で、おもしろくしようと思うと迷宮のアンドローラに入り込んでしまうんだ。でも分類王は入り込まない。迷宮からアリアドネの糸でうまく抜け出るというよりは、フェニックスの翼を生やして一気に飛び抜けてしまうんだ。そこがずるい。圧倒的なサイズの違いを如実に感じさせられる。そうか、分類王はドイツ人だったのだ!( ・∀・)! と捨て台詞を残すのが関の山であります!

図解でユカイ

図解でユカイ

*1:まあ、モグリっていうか、単におれとは縁のない人だろうということですけどね〜