イイ本みつけた!ズームの魔力!

ZOOM (fukkan.com)
『ズーム』
作者: イシュトバン・バンニャイ
出版社/メーカー: ブッキング

子供の頃にみた教育短編映画で、一つのポイントをずーっと上空にズームアウトしていくのがあった。カメラの位置が手元→部屋の天井→家の屋根→空→太陽系というふうにどんどん引いていく。ズームアウトがいきつくと今度はズームインで、ミクロの世界にいくってやつ。おれはデパートのイベントで見た記憶があるんだけど、5歳年長の知人もこの映画を知っていたので、たぶん有名な映像なんだろうけど、タイトルとか知らない。おそらくおれが世界というものを俯瞰した、いってみれば神の視点をシミュレートしたのはこの映像が最初で、なんつーか、物心ついた感じを持った瞬間だったと思う。で、この映画をイラストでやったのがこの本。映画は一直線に上空にズームアウトしていくだけだけど、この絵本のズームアウトは直線的ではなくもっと概念的。ズームアウトより「入れ子構造」と言ったほうがしっくり。テレビの中にテレビが映っててそのテレビの中にまたテレビが映ってって…っていう無限反復な感じ。1995年に翔泳社から出ていたものを、「復刊ドットコムhttp://www.fukkan.com/が先月復刊。絵のタッチはべつにどうとも思わないが、アイディア・オリエンテッドを標榜する人には絶対の逸品。『リズーム』という続巻もあるようだが、これはまだ復刊されてないようだ。