「このダイレクト出版がすごい!2013」記

昨夜、下北沢の本屋B&Bで行なわれたトークイベント『このダイレクト出版がすごい!2013』を覗いてきましたよ。酒が飲める本屋ってことで、ビール飲んでつまみくいながらまったり話が聞けるのかなと思って行ったんだけど、いわゆるスクール形式で詰め詰めで座って拝聴する感じで、ちょっとがっかり。
でも、内容はなかなかおもしろかった! ブログ黎明期みたいなカオスな感じがむんむんしていた感じ(感じの多用)。パネラー推薦の作品はそれぞれおもしろそうだったけど、特に、大学や公的機関がデジタル化して公開している過去の膨大なアーカイブを「電子古書」と捉え、そこからおもしろい本を発掘して何かしてやろうと思っている変電社さんがおもしろかった。パブリックドメイン作品を使って一発あててやろうというアプローチはアリだよな〜〜。
と思ったら、今朝の朝日新聞にこんな記事が。大日本印刷紀伊國屋書店が組んで国会図書館の蔵書をデジタル化して配信する実験を始めるとのこと。http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201301280581.html 大手もやり始めちゃってるみたいだけど、おれは変電社を応援するね。
あと、思い出すのは、流れとして、情報商材キンドル化したスパム本の増加、メルマガで発行していたもののキンドル化について言及されていたこと。なるほどなるほどなるほどな!
ブログでなにか発表することと、電子書籍でなにか発表することとの違いは、後者の場合は少額でもお金が動くことだと思った。ブログはボランティアっぽくて、電子書籍は商売っぽいのがいいところ。ブログでも広告やアフィリエイトでお金が動くだろうけど、それはあくまでも間接的なもので、電子書籍の直接取引感とは違う。やっぱり電子書籍のよさはそのダイレクト感にあるのだなということで、「ダイレクト出版」という名前は的を射ている感じがする。前にソーシャルビジネスに燃えるシニアを取材したときに、少額でも経済活動になっていないと我々のコミュニティはうまくいかない、ボランティアではモチベーションが続かないのだ、みたいなことを聞いたんだけど、なんとなくそれが腑に落ちた感じ。
心情的にはパブーを応援したいけど、やっぱりキンドルなんだろうなぁ。。。

で、紹介されてた作品を思い出す限りメモメモ。リンクは面倒くさいので張りません〜。

蚕糸行政
 →マイナー分野の代表として

マネーの歴史、マネーの日本史
 →推薦理由忘れた!

ニコニコ生放送配信者、通称『ニコ生主』を数名口説き落とした俺が落とし方を教えてやる。わかりやすくいくつかのポイントを挙げて教えてやる。
 →そういうナンパが流行っていて、一つ人気ジャンルとなっている模様

円と線
 →内容紹介コメントの自画自賛度合いが強烈。

空と地上の間
 →内容紹介コメントが「短編小説」だけw とのことでしたが、いま見たらもう少し書いてあった。

鋼の記憶を抱いて
 →日本のアマゾンではできない81円という価格設定をやっている(アメリカアマゾンで登録しているからできる)。あと、版がいくつもあってその度にあとがきを加えている。

小説家になる方法 司凍季
 →出版界の実名暴露本。編集者や出版社の批判が盛りだくさんらしい。

鈴木みそ 限界集落温泉
 →キンドルで14000部を売り上げたマンガ。マイナー商業誌に掲載した作品を版元と交渉してキンドル化する模様をブログで実況レポートして人気になった模様。

西遊少女
 →縦スクロールマンガ。キンドルではできないがパブーならできる縦スクロールを利用した作品。

更新頻度の高い雑誌型作品について
 →作品名忘れた。キンドルでは更新したファイルをアップロードしてもいつ反映されるのかいまいちわからないが、パブーならすぐ反映できるのでそれを利用した連載ものがおすすめ、と。

暴露マンガ おとな女子
 →ブクログ内部の誰かが描いているという。

バーチャルアート
 →どこかのおじいさん?が毎日1枚の写真を1冊として出版。いままでに2879冊を発行済み。これはパブー全体の約1割の冊数なのでバカにされているが、「ダイレクト出版は書き手の解放」を標榜しているパブーとしてはこれもアリだと考えているそう。

関東心霊庁除霊局/自走式人形お春改
 →幽霊をロボットのように操縦する話。著者本人が現場にいて、なんか味のある感じでいい感じだった(多用)。

遺書 堕落 働く 家庭 女子
 →暗い気持ちになりたいときにおすすめ。

赤い星 大宅壮一
 →レーニンが火星人に拉致されるというソ連時代のSF。

技師ガーリン
 →文豪とは別人のトルストイが書いたエンターテイメント作品。戦前は日本でも評価され、ソ連では映画化もされた作品だったがなぜか忘れ去られてしまった。