「ジンガロ」に漂う宮崎駿テイスト!

まったく聞いたこともないものだったけど、招待券をもらえたというだけの理由で騎馬スペクタクル「ジンガロ」の「バトゥータ」に行ってきた。バトゥータといってもいにしえのバティストゥータの略ではなく。事前情報として公式サイトを見た限りでは、人馬一体となって繰り広げるサーカスみたいなもんだろうと。曲馬団だろうと。それくらいの認識で、生涯で初めてとなる清澄白河駅まで出かけましたよ。木場公園特設ステージということで、もしかして屋外だったら寒いよな…と心配してたけど、行ってみたら立派なホールがどーんと作られていてホッ。立ち飲みのバーもできてるし、エルメス*1の特設ショップもあって、なんかちょっといい感じ。ただし、ホットワイン一杯1000円を確認した時点でスルー。
会場は1800人収容で、椅子はパイプ椅子だったけど上にエンジ色の布をかぶせてあって、それだけでなんとなくいい感じに。で、入ったら、円形劇場の一番下にステージがあって、そこに馬みたいなものがいっぱい置いてある、と思ったら本物の馬たちで。ざわざわした会場の中で暗転したステージに馬たちがじっとおとなしく待ってるだけでなんとなくいいなと思っちゃったのはなぜかよくわからないけど、始まってみて、いいじゃんこれ、と思ったのは、やっぱ馬の力だと思う。馬がおとなしく言うこと聞いてぐるぐる狭いサークルを走り回ってるだけで楽しい気分になるというのが意外。おれもやりて〜という気持が沸々。実際、曲芸としてはそれほどたいしたことない感じで。でも、全体の雰囲気がとてもイイんですな〜。ラッパ隊と弦楽器隊(それぞれ10人ぐらい)がステージを挟んで向かい合って順番に演奏するんだけど、こいつらがおっさんばかりでイイ。演奏しないときは観客の一人みたいな感じで演者に合いの手をかけたりして。演者たちも、セイン・カミュみたいな白人を中心に、長髪縛りスタイルの女好きっぽい男子が勢揃いで、おれら、あんまり難しいことはわからねーけどやることやって生きてますから…的な感じ。総じて、毎日きっと酒飲んで酔っぱらってるんじゃないかなと思わせる感じ。衣装とか小道具とかまで含めて、「カリオストロの城」とか「ラピュタ」とかに出てくる、昔のヨーロッパっぽいんだけどどこの国かはよくわからんという、宮崎駿イメージでの無国籍ヨーロッパテイストをすごく感じて、それがなんかイイなと思った最大の要因だと思う*2。スタイリッシュじゃないんだけど、スカしてないんだけど、ちょっと土着的でもあるんだけど、なんか憧れちゃうよなーオイ!という人力の世界。ちょっと下劣さもあって、大衆酒場の出し物っぽいのがあるのも好感度大。一番安い席でも8000円なのでおれを含む松屋階級には基本的に無理な出し物ではあるが、もしラッキーチャンスがあったらおすすめしたい。ただし、クラリスみたいな美少女は見あたらなかった模様。一人、輝きを放つスター女子がいたらもっと広く訴求しただろうけど、その場合はおれなんかにチケットは回ってこなかったんだろうな〜。

*1:公演の特別協賛。だってもとは馬具屋だもんね

*2:と、さっき夕刊(朝日)をみたら、「バトゥータ」ってのはルーマニアの民族舞踊の名前だと書いてあった。そうか、ルーマニアか〜。知らないなりに納得w