「ヘンな漢字」ダイジェスト.1 「忑」の巻

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「漢和辞典」に載っているヘンな漢字

「漢和辞典」に載っているヘンな漢字

という記念に、中身をちらっと抜粋して掲載していくよシリーズ第一回〜。下心の巻。興味を持った人は迷わずポチッとな!

実は何かしてやろうと思ってる?

音:トク、トウ
部首:心(こころ)
画数:7 画
大漢和番号:10317
UNICODE 5FD1

高井/これは、その肉体をいただいてしまおうというたくらみをもって、スケベな男性が女性にやけに親切にしている、というような状況を表す字でしょうか。

先生/当たらずとも遠からず、かもしれません。この字は「心がむなしい」「おそれる」の意味です。下心を持ってでしか女性に優しくできないなんて、ちょっとむなしいですよね。

高井/「下心」があるということは、もしかして「上心」もあったりしますか?

先生/「忐」(タン)という字はありますね。音は違うのに、意味は「忑」と同じようです。二つ合わせた「忐忑」(タントウ)で、「びくびくする」。気味悪くおびえる形容表現で、現代中国語でも同じ意味で使います。

高井/びくびくして、心が上に下にと落ち着かないんでしょうね。下心がバレちゃったときみたいです。

先生/ちなみに、「恭」や「慕」のように、部首の「心」が字の脚部にきて変形したものは「したごころ」と呼ぶことがありますよ。

高井/「恭」や「慕」の字を見る目がこれから少し変わりそうです。