ワンダーJAPAN 5は寂寥の北海道特集〜

もうすっかりメジャー誌の仲間入りを果たした感のある「ワンダーJAPAN」のvol.5が出ていますよ〜。

ワンダーJAPAN 5 (三才ムック VOL. 169)

ワンダーJAPAN 5 (三才ムック VOL. 169)

今回の特集は北海道。なにをかくそう、おれは北海道札幌市出身なわけで〜。とりあえず、カバーの処理が今回もかなりかっこいい〜! 奔別炭坑の立坑櫓を中央に配し、背景の空を金屏風のようななんとなく和風のゴールドで染めつつ、雲を白のハーフトーンで表しています。うーん、お見事〜。といいつつ、じつをいうと、今回の廃坑ものは個人的にはあんまり楽しめないんすよ〜。つわものどもがゆめのあとっぽい感じの風流な気持ちにはなぜかなれない。なんでかなー?と考えるに、子供の頃、なんか知らないけど突然親父がドライブに行くと言い出して、昔おじいちゃんたちと住んでいたことがあるという町に向かったことがあって、それが、ちゃんと場所を覚えてないんだけど、元炭坑の町で、すっかりさびれちゃった元じいちゃんち跡に親父がなんか軽口を叩きながら立ちションするのを見ていて、あ、この人、寂しさをごまかそうとしているんだな、なんて子供心に思った記憶があるんだけど、もしかしたらそのへんの感触が影響しているのかもしれませんな。なんかこう、他人として楽しめる空気にならない感じ? 人っ子一人いない夕張の町並みを撮ったページも同じく。廃墟とかがほとんどだからもともと人はあまり登場しないWJ誌だけど、夕張はいちおうまだ現役の町…。街中の写真が27枚載ってるんだけど人の姿はゼロ…。人はおろか犬も猫もカラスもゼロ…。何時に撮影したのかわからないけど、駅前にも誰もいない。編集者が寂しさを狙って早朝に撮ったものであってほしいよ…。まるで『荒野の少年イサム』のゴーストタウン…。川崎のぼる先生…。そのへんの機微を編集部が察したのかどうなのか、もうやってないスナックや旅館の店名部分をぼかしているのも、ひごと寒さがつのります…な感じ。北海道とそこに住む親を捨てて見ないようにしてきた者にとっては、なかなかこたえるビターな一冊でした……。よく妻に言われることだけど、北海道育ちの男って、本質的に暗いんだよね…。なーんていいつつ、芦別レジャーランドやドライブイン大仏亭はいつものように楽しめちゃってるけどねw