やる気を消滅させる一冊(´∀`)

新年早々、ヴィレッジヴァンガード様で素晴らしい本を入手。といっても別に最近出た新刊ではなく、去年出ていたのを単におれが気づいてなかっただけなんだけど、とにかく久々にジェラシさ100万パーセントの一冊。

Fが通過します

Fが通過します

はぁ…。新年を気にぐぐっとふんどしを締め直そうとしていたおれを再び奈落の底の嫉妬マイスターへと突き落とす一冊。パッと見て、チーズケーキファクトリーのチーズバーかよ!と悪態をつくとこだったが、マガジンハウスの文芸誌の欄外で発表した「佐藤雅彦のはじっこジャック」という細長い棒状のコーナーを書籍化したものだった。パッと見て、「なんていやらしいタイトルだろうよ。デザインもスカしててちょっとイヤ。佐藤雅彦(様)も焼きが回ったな」ぐらいに思ったことを告白するが、1発目のネタでもうすでに立ち眩んでいたことも告白する。いまも、座っているのに立ち眩んでいることも告白する。メッセージやら意味やら意義やら思想やら芸術やら情熱やら屈託やら悩みやら青春やら野心やら愛やら平和やら神やらなんやら、あらゆるすべての全部の世界中のめんどくさげなアイテムを排除した後に残る純粋表現のようなもの。絵を上手に描ける人がこういうものを作ってしまったことが憎らしくも口惜しい。娘に見せても明らかにおもしろがりやがった。いやだいやだ。見なければよかった。今後何をやるにも何をやらないにもこの本を意識しなければいけない気がする。ほとんど気が滅入るものばかりだが、中でも特に気が滅入ったのは「ポジネガF」「引力」「無重力」「ホッチキス」「紐の通り道」「中の様子」「フォント四すくみ」「三日地球」「折れてM」「クラゲ」「ヒトデ」「魚群探知機」。ぐすん。もう涙も出ませんよ。前からそうだけど改めて偉人。偉人すぎて凡人のおれには「濃度のコンポジション」「Fの意向は無視」「composition」「not titled」については過ぎたるは及ばざるがごとしだった*1。いまの気分はぷすぅであります。

*1:もしかして単なるブラフ?という恐怖もあるけどとはいえやっぱりなんかある気がするので誰か優しい見識者様がいたらこの4本について迷えるひつじどし中年にヒントをください