アサリの殻を執拗に保管したがる娘

日曜に家族4人で潮干狩り(toサンプルページ)に行った関係で、今日の夜飯は特盛のボンゴレ・ロッソ。おいしかった。と、それはいいのだが、食後、9歳の娘が、食い終わったアサリの貝殻を写真に撮りだし、続いて、殻を取っておきたいと言い出した。最初はなに冗談言ってやがんだい、え、という感じだったのだが、本人はいたって大マジで、小バカにした感じのおれや妻の態度に対し半ベソ状態。そんなの放っといたら腐って臭くなる、つーかどう考えてもゴミじゃん?と説得したが、聞こうとしないので、しょうがないから、じゃあ一つだけ洗ってしまっといたら、と譲歩したんだが、そしたら逆に大泣きの準発狂状態に突入。一つだけじゃどうしてもイヤで、食い終わったアサリの殻全部を洗って大事に取っておきたいという。なんでこんなもんに執着するのだ?と問い詰めたところ、のっぴきならないヒックヒック嗚咽の中、彼女は答えた。「……(ヒック)お、お、(ヒック)お、思い出が……(ヒック)なんでわかってくれないの、ウワーン!」。久々に妻がキレて、泣きわめく娘を引きずって家の外に追い出してカギを閉め、娘が何度もピンポンを鳴らし、ドアをガンガン叩くのを無視しながら、それを半酔いのおれがただ眺めるという状況に。おまえ、そのセリフは、明日から家族が離ればなれになって二度と会えなさそうな状況においてのみ有効ってもんじゃないか? つーかもしかしてうちはそんなにレジャー経験が乏しいっていうことなのか? などといろいろ考えざるを得なかった。というか、本当は笑いを堪えきれなかった。どうすんだよ、アサリの殻を…。その後、一回捨てたアサリ殻を妻が引っ張り出して「洗いたかったら洗え!そのかわりあんたがやりたがってる金管バンド活動はやっぱナシね!」的やりとりがあったけど、とりあえず、娘はアサリの殻を3匹分机にしまって眠りについた模様。おれの読みでは、「ちゃお」かなんかに、思い出のつまった些細なモノを大事にすることがちゃおっ娘にとっては大事なことなのよ(はぁと)、みたいな教えが載ってて、それに強く影響されたんじゃないかと推測。家族との思い出を大事にするなんて殊勝でうるっとくる側面もあってそれは親としてもちろんうれしいんだけど、ストレスたまってんのかなー的な心配の方が大きいな…。いずれにせよ、将来、娘の結婚式でおれがいうスピーチには欠かせない逸話となりそうな感じだ。
アサリが好きな奴と結婚できたらいいね。おれみたいに…。