「ベルンの奇蹟」にちょちょぎれて

と、めっきりドイツづいているおれが、当然のようにドイツ映画「ベルンの奇蹟」http://www.elephant-picture.jp/bern/を鑑賞したわけですが。当然のようにボロ泣きでしたよ。。。敗戦国として苦渋をなめ、サッカー的にも単なる弱者としか思われていなかったドイツが、大方の予想を裏切って優勝してしまったという1954年W杯スイス大会のいわゆる「ベルンの奇蹟」を描いた一作で、そこに戦争でとばされてたソ連から12年ぶりに帰ってきた父親とサッカー好き痩せ型少年のドラマをからめるわけ。サッカーと親子ですからね。もうどう転んでもおれにはがっつりドンピシャなわけですわ。ただでさえ瞼飛び出し系の目がさらに3D飛び出し系に変化ですよ。。。特におれがおかしくなりそうだったのは、息子が大事に飼っていたうさぎの顛末。それまでの態度を反省して家族と向き合おうとした父が、やっちゃうんです。。。情が転じて仇になるのはめっきり弱いですぼくちん。。。ぐすん。。。ただし! こういっちゃなんだが、映画としての完成度は高くないと思う(キッパリ)。戦争に負けて自信をなくしていたドイツ国民の様子がきちんと描けてはいるとはいえない。12年間の捕虜生活でうちひしがれていた父親の心情も同じく。そのへんをもっと丁寧にやっていれば、サッカーが嫌いかつ親でもない人でも感動できただろうに(仮定法)。といいつつ、最終的にはやっぱイイんですこの映画。それは、役者。役者の顔。父役のペーター・ローマイヤーは、おれがイメージする、地味でぶきっちょで堅苦しいドイツ人男性のイメージそのまんま。。。存在的にはドイツ版健さんだけど健さんほどかっこいいわけじゃないことに注意。しかもこの人、元サッカー選手。シュトゥットガルトのユースにいたらしい。でもルール地方出身でシャルケの大ファンだって。プロフィールまで最高! さらに、息子役のルーイ・クラムロートというガキがこれまたグート! 痩せぎすで、短パンはいてて、いじけ野郎で、毎晩うさぎに話しかけて自分を慰めているの。ズバリ言って、顔はおれの妹にそっくり! 不憫という言葉は彼のためにあり。でもこんな顔してちんちんはデカいんだろうな、と思わせますね。さらに、この二人が実の親子だっていうんですから。。。ヤバイっすよ奥さん! さらにさらに、監督のゼーンケ・ヴォルトマンも元プロ選手。もうおなかいっぱい。しょぼくれ&たそがれ中年を自認するサッカーファンなら、みない理由はまるで見当たらない一作。みられるのはシャンテシネだけ(東京では)。

タイトルは、英語ではThe Miracle of Bern。ドイツ語ではDas Wunder von Bern(ダス・ヴンダー・フォン・ベルン)。dasは中性名詞につく定冠詞。Wunderは英語ならwonderでしょう。確か強かったときのオーストリア代表は「ヴンダーチーム」と呼ばれたはず。そんな意味合い。vonは前置詞。「〜から」「〜の」といった意味合い。2006年、ドイツでWunderを見せるのはどいつだ? 日本だ〜〜!!!