悪夢の右眼再手術新宿旅行(延泊)…

6日(水)の朝に退院する予定だったのだが、手術した5日(火)の夜に容体が急速に悪化し、結局さきほど、8日(金)の10時にJR東京総合病院を退院して帰宅した。まいった。心底まいった。
手術自体は点眼麻酔だったためあっけなく何の負荷もなく終了。たぶん手術室に入ってから30分くらい。しかし、目玉を覗いた先生は開口一番、「あー、ぐらぐらだね」。水晶体を支える膜だか袋だかが弱っているため、ここにレンズを入れてもすぐ落ちてしまうということ。レンズを入れるには縫い付ける処置を施さないといけないがそれには特殊なレンズを使わねばならずその準備はしていないとのことで、結局レンズは入れられず、濁った水晶体を除去しただけで終わってしまったのだった。1年間かよってみてもらっていたのだからぐらぐらであることくらい事前にわからなかったのだろうか、といまとなっては思うが、あけてみないとわからなかったらしい。
これだけなら退院が延びることはなかったのだが、今回の手術でもう一つ試みたことがあって、それが最悪化の原因となった。網膜剥離の手術以降、右眼の眼圧がどうにも上がらない状態が続いており、それが見え方に悪影響を及ぼしているという診断だったため、今回は眼圧を一時的に高める処置をやろうということになっていたのだった。何かというと、粘弾性物質というものを、通常は手術終了前に除去するところ、わざと残しておくという処置。よくわからないがこれには眼圧を高める効果があり、一度ぱーんと張ってくれればその刺激で眼球がしゃんとするのではないかとのことだった。
術後、普通にめし食って21時に消灯となり、同じフロアのババア患者がずっと独り言をつぶやいたり、同じフロアのジジイ患者が大声で悪態をついたりするのが気になって眠れないなぁと思っているうち、なにか頭の奥がズキズキしてきて、そのうち吐き気も襲ってきて、これはやつらのせいだけではない、眼圧を高めたせいではないか、と思い当たり、22時30分頃にナースステーションに直訴。鎮痛剤か睡眠導入剤をもらえないかと思ったのだが、医師から指示がないので朝まで待ってね、と言われて床へ。大人なんだし我慢しなきゃと思って寝ようとしたが苦しさが増すのがわかってきて、このままじゃゲロると思ってトイレに行ったらやっぱり出て、たまらずナースコール。一回吐けば楽になるかと思いきやさにあらず、床とトイレを往復して3回吐き、最後の2回はトイレまで行けず床の上で袋に吐いた。宿直の若い先生が呼ばれて眼圧を下げるでかくて白い飲み薬(ダイアモックス)をくれたので飲んだがすぐ吐いてしまったので点滴で同様の薬を入れた。点滴をしていると楽でその間は寝られるのだが、切れるとまた頭痛が激しくなって寝られない感じ。仰向けよりは下を向いたほうが楽だったので机につっぷす体勢にしたがそうするとあぐらの体勢になって今度は踵がしびれて苦しい。さっきまでバカにしていたジジイ患者やババア患者と同じ状態であることに感づきながらもウーアーとうめき声をあげるしかなかった。48年も生きてきたんだからこういう苦しさはこれまでにもあったはずだ、だからがんばれるんだ、と思おうとしてここまで苦しかったのはいつ以来かなと考えたが、思い当たらなかった。で朝を迎え、主治医は不在の日だったのでかわりの先生に見てもらうと、眼圧は40mmHgほど。薬投与前は50ぐらいあったのではないかとのことだった。普通は50ぐらいなら大丈夫なのにたまたまおれが弱かっただけなのか、それとも……。
結局、手術前より右眼の見え方は悪くなり、前よりぼんやり度が増してしまった。レンズがないので当然。加えて、激しい嘔吐と頭痛による苦しさを味わった。さらに、時間も2日無駄にした。もちろん、お金もかかった(クレジット払いで7万円)。おまけに、森重大活躍パート2によるACLグループリーグ首位奪還の様子も見られなかった。なんのために行ったのかまったくわからない新宿旅行だったことだなぁ(絶望)。