ピーちゃんさようなら

飼っていたインコのピーちゃんが死んでしまった。昨晩、寝ようと思ってふと見たら鳥かごの下面で平たくなっていた。外に出したままで入れ忘れていたのが直接の引き金かもしれないが、最近は弱っていたのかいつも寝ていたから、寿命なんだと思う。まぶたは半開きのままだった。別に息子も娘もおれも妻もかわいがっていたわけでなく、ただ単にいただけという感じで、名前もなんの思い入れもなくピーちゃんと呼んでいた鳥だったけど、夜中、たまに酔っぱらって一人でいるとついつい話しかけたくなる相手だった。いつまでたってもなつくことはなく、指を出すとかじってくる鳥だったが、最近はそれがあまり痛くなくなっていたことに気づいていた。4年ほど前に母屋の庭に迷い込んできたのを義母が飼っていたが、なんとなーくうちにやってきただけのピーちゃん。オスかメスかもわからないピーちゃん。去年は、なんとか新しい家が建つまで生きてくれるのかなぁと思っていたけど、無事にいっしょに新居にこれてよかったなぁ。ほかのインコはたぶんずっと鳥かごの中で一生をすごすんだろうが、ピーちゃんは一度は外に冒険に出たことがあるわけで、それはインコとしてはリスペクタブルなヤツなのではないだろうか。そういえば、一度だけ家の中に逃げ出したこともあった。結局おれにつかまったけど、あのときにかじられたのは痛かったなぁ。土に埋めると、黒っぽい土の色に青い羽根の色が非常に鮮やかなコントラストを描き出していた。おれではこんな鮮やかな死に様は描けないだろう。さすがはインコだぜ。どうか野良猫に掘り起こされず、無事に白骨化してくれますように。