試写会へ

taquai2004-01-28

アートン上野さんの計らいにより、
韓国映画殺人の追憶」(サリニチュオク/Memories Of Murder)の試写へ。
マスコミ向け試写会ってすげー久しぶりだなー、と勇んで入ったら、
会場におすぎがいた。
韓国のアカデミー賞といわれる大鐘賞で作品賞と監督賞と主演男優賞と照明賞を受賞した話題作とのこと。


実際の未解決連続強姦殺人事件が題材だから基本的に重くて暗い。
群がる虫、ひんむいた目玉、まんこに挿入された桃片…と
死体描写にいちいち余念がない。
韓国映画らしく、ゲロの描写もついリアルにやっちゃう。
と、結構重たくて緊張感の持続するタイプの映画なのに、
ギャグっぽい場面も少なくないのが意外。
韓映だから当然だが、その辺に日本人離れした妙なバランス感を感じる。
つーか、警察、あれじゃちょっと無能すぎじゃねぇかな。
特に前半、あまりにずさんな捜査&がさつな尋問シーンが多く、
重要事項だったと思われる、犯人を追いつめる刑事たちの執念を感じるには至らなかった。
脳天気な明るい拷問はとてもたちの悪いしろものだ。
事実に忠実に描いているとすると、
この時代の韓国がよほどヤバヤバな国だったということで、
よくがんばってまともにしたね、お隣さん、
とお祝いしてあげたい気持ち。
まー日本も昔は似たようなもんだったとは思うが、
ここまでがさつではなかった、と根拠なく信ずる者である。


主演ソン・ガンホはイイネ!
若い頃の毒蝮三太夫をもっと眼光鋭くした感じ。
というか、うちのマンションに住んでる男子中学生(13)とそっくり。
あまり焼酎は得意じゃないが、
ソン・ガンホとだったらがぶがぶ飲めそうな気がする。
あと、韓国のラブホテルの醸し出す貧しさが、おれは結構好きだ。


冬のソナタ」以降のコリアン・ピュアラブ世界にうっとりして瞳に星が入っている中年日本女性の後頭部を強打して目からその星を飛び出させてやりたいという意味で、おすすめの一本だ。
と日記には書いておこう。