てっとりばやく幸せを感じる方法

今日は電車で2回、席を譲られた。


一人は、60歳ぐらいの、おばあちゃんと言ってもいいくらいの女性。そんな年齢の御婦人に譲ってもらうなんて、かたじけない気持ちでいっぱいだが、両隣の人はもっとかたじけない気持ちなったらしく、計4人で譲り合いの空気が流れちゃった。こういっちゃナンだが、その場が人肌にあったまった雰囲気。


もう一人は、さしずめ23歳ぐらいの女の子。そのまえからなんとなくおれを意識している感じはあって、譲ろっかなー、どうしよっかなー、でもちょっとわざとらしいかなー、でも声かけてやったほうが最終的にはいいはずよねー…なんていう自問自答を繰り返してしばらくためらった後に意を決して声をかけてくれた感じが濃厚。


とにかく、どちらの場合も、おれは幸せを感じた。幸せといっちゃあオーバーではあるが、少なくともあの瞬間、あの車内で一番幸せムードにつつまれたのはアブソリュートリーこのおれだ。松葉杖、わるくないよ。つーか、ビバ松葉杖! 


もしおれの子供が将来、悩んだり、たとえば自殺したくなってしまったら、松葉杖をついて電車に乗ってみることを勧めたい気分。悩んだら腹一杯米を食う、が従来のおれのお悩み解決策だったが、そこにもうひとつ松葉杖を加えたい。そんな36歳、春。わるくない。おおいにわるくない。